この高齢の女性は、ペットの虎と一緒暮らしていま

一般的に家庭で飼育されるペットといえば、犬や猫、小鳥といった小動物が思い浮かぶ。しかし、ある女性はまったく異なる生き物との生活を選んだ。アメリカの田舎町に暮らす高齢女性プルーデンスさんは、なんと体重約230キログラムにもなるトラと同居している。

きっかけは数年前。プルーデンスさんが森を散歩していた際、狩猟用の罠にかかり動けなくなっていた一頭の虎の子を発見。重傷を負い、衰弱していたその子を見過ごすことができず、自宅に連れて帰り手当てを行った。虎は「ラジャ」と名付けられ、以後、彼女の家族の一員となった。

現在のラジャは、後ろ足で立つと2メートル近い高さになり、体格は成獣そのものだが、プルーデンスさんには非常に従順で、まるで大型の猫のように甘えるという。足元で丸くなって眠る姿も見られ、2人の間には深い信頼関係が築かれている。

ただし、猛獣との生活は一筋縄ではいかない。ラジャの力は非常に強く、わずかな動作でも家具を壊してしまうことがあるため、プルーデンスさんは自宅の内装を補強。壊れやすい装飾品はすべて頑丈な素材に置き換えた。また、ラジャの食事量も相当で、食材の準備に多くの時間を要するという。

それでもプルーデンスさんは、「ラジャがいることで毎日が充実していて、孤独を感じることがない」と語る。危険性について問われても、「彼は家族以上の存在」と微笑むだけだ。

この特異な関係は、生き物同士の絆が種を超えて成立し得ることを示している。プルーデンスさんとラジャの共生は、思いやりと時間が信頼を育むことの象徴といえるだろう。