海岸近くに突如として巨大な氷山が出現し、町の住民の間に衝撃が走った。普段は小さな氷の塊が北から流れてくることに慣れている住人たちも、今回の異常な大きさと存在感には驚きを隠せなかった。
中でも注目を集めたのは、氷山の頂上に見えた“何か”の存在だった。光が差し込むにつれ、鮮やかな色のモヤのようなものが氷上に浮かび上がり、住民イサムの興味を強く引きつけた。彼は双眼鏡を使って氷山を長時間観察し、そこに生命の痕跡のような動きがあることを確信した。
謎を解明するため、イサムは独自に氷山への接近を決意。義理の兄のスピードボートを借り、必要な装備を整えた。地元住民や店主からの懸念にも耳を貸さず、警察の目をかいくぐって出航。港を離れ、氷山を目指す姿はまるで小さな町の冒険者そのものだった。
イサムの行動の真意や、氷山の上に見えたものの正体はいまだ不明。現在も彼の消息は確認されておらず、町では様々な憶測が飛び交っている。
町を離れた一隻のボートと、氷の山に秘められた謎——静かな新林町が、今、未曾有の物語の舞台となっている。
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