ある夫婦が友人の愛犬を一時的に預かったことがきっかけで、予期せぬ出来事に巻き込まれることとなった。事件の発端は、ドーベルマンのレックス。警察犬としての経歴を持つこの犬は、飼い主であるコリー氏が海外出張に出る間、ジョージ氏とその妻ゾーイ氏のもとで数週間過ごす予定だった。
預かり期間の初期、レックスは穏やかで協調的な態度を見せていたが、日が経つにつれ異常な行動を取り始めたという。特に妻ゾーイ氏に対する過剰な執着が目立ち、夫ジョージ氏は犬の様子に違和感を抱き始めた。レックスはゾーイ氏の側を離れようとせず、常に警戒するような態度を取り続けていた。
ジョージ氏によれば、レックスの行動は次第にエスカレートし、家の中を歩き回って唸り声をあげたり、夜中に寝室のドアを執拗に引っ掻いたりするようになったという。こうした犬の異常な反応に不安を募らせたジョージ氏は、事態を探る中で偶然、ゾーイ氏の携帯電話に届いた不可解なメッセージを目にすることになる。
メッセージの内容は断片的ではあったが、ジョージ氏にとっては妻の行動に対する疑念を決定的なものにするには十分だった。「ジョージには話せない」といった文言が含まれており、既に家の中にあった緊張感はさらに高まった。
その後、ゾーイ氏の行動にも変化が現れた。深夜に外出することが増え、その事実を否定するような態度も見せていたという。日常の会話も減り、夫婦間には沈黙と不信感が漂うようになった。
このような経緯を受け、ジョージ氏は最終的に警察に通報。警察は通報を重く受け止め、迅速に現場に駆けつけた。事情聴取の中で、レックスの警戒行動、不可解なメッセージ、そしてゾーイ氏の不審な行動などが確認され、事態は新たな展開を迎えることとなった。
警察の調査により、ゾーイ氏が抱えていた秘密と、それに対するレックスの敏感な反応の関連性が次第に明らかになっていった。ジョージ氏はこの一連の出来事を通じて、自身の直感が決して誤っていなかったことを知ることとなる。
今回の件は、一匹の元警察犬が見せた「異常な忠誠心」が、思わぬ真実を浮かび上がらせた事例として注目されている。